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ザ・ファーム2強の一翼となった「ボストン・コンサルティング」ここで、日本において「マッキンゼー」と並び称せられるようになったHボスコン。
「ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)」に話題を移しましょう。
「ボストン・コンサルティング」は、現在、世界五9カ所に事務所を持ち、コンサルタント5000名を抱えるビッグ・ファームです。
同社が、東京に事務所を設置したのは、1966年。
ビートルズが来日した年であり、ライバルの「マッキンゼー」の進出が1970年代に入ってからであることを考えると、かなり早い時期に日本にやってきています。
じつは、東京事務所は、本拠地ボストンに次ぐ世界で2番目の拠点であり、ファーム全体として早い時期から日本市場に注目していたとき守えます。
しかし、「ボストン・コンサルティング」は、日本進出こそ早かったものの、その後は、日本においても世界最強のファームである「マッキンゼー」の後塵を拝する、きびしい立場に置かれました。
すなわち、「マッキンゼー」が、一般にもその名を知られることになったスター・コンサルタントのO氏の活躍もあり、日本で最も有名な外資系の「戦略系コンサルティング・ファーム」の地位を築く一方で、「ボストン・コンサルティング」は2強多弱とも言われた多くの弱小外資系コンサルの一つにすぎない時代が長く続きました。
現在では、「マッキンゼとボスコン(BCG)」と対句のように言われる両ファームですが、じつはつい10年ほど前までは、その地位には大きな差があったのです。
こうした状況は、さまざまな企業や組織で見られる状況です。
「わが社は、業界トップに大きく水をあけられている。
どうすれば追いつくことができるか」「ライバルには業界のスターがいて、ブランド力もネームバリューもある。
それにどう対抗すべきか」こうしたことを悩んでいる企業経営者やビジネスマンは、多く存在しています。
こうした「経営戦略上の課題」に対して、みずからが経営戦略の解をアドバイスすることを生業としている「戦略系コンサルティング・ファーム」である「ボストン・コンサルティング」はどのような戦略をとったのでしょうか?そして、このような状況を打開し、「マッキンゼー」と並び称せられるような現在の地位を獲得することができたヒミツはどこにあったのでしょうか?199O年前後の「ボストン・コンサルティング」の陣容は、ほかの「外資系コンサルティング・ファーム」同様、50名程度といった規模にとどまっていました。
業務の中心は、日本に進出してきた、あるいは進出を計画している欧米企業の日本市場の調査プロジェクトでした。
つまり、欧米で「ボストン・コンサルティング」からアドバイスを受けている欧米の既存顧客に対してサービスを提供しているだけであり、自力で日本の大企業を顧客として開拓し、コンサルティングを行うことは稀だったのです。
当然に業績は苦しく、本社からの赤字補填でなんとか東京の組織を維持している、といった状況でした。
こうした環境下にあって、か多弱の一つであった「ボストン・コンサルティング」がとった戦略は、次のようなものでした。
業界リーダーの「強み」を徹底的に分析する。
その「強み」とは異なるところに、みずからの「訴求価値」を設定することで、業界リーダーとの直接対決を避ける。
同業界リーダーの顧客と同じ業界に属するライバル会社を、自社の潜在顧客としてセールス活動を集中する。
刷以上の戦略により、2番手グループの中でのトップを目指す。
同その後、ほかのn多弱Hとは完全に差異化できた段階で、リーダーと直接対峠する。
具体的に、考えてみましょう。
「戦略系コンサルティング業界」における業界リーダーは、「マッキンゼー」です。
「マッキンゼー」の強みとは何でしょうか?それは、すでに見たように、「論理的な分析とグローバルなナレッジ」経験と智恵であり、「顧客と対峠することを厭わない強烈なカルチャー」であり、さらに、「グローバルに均質なサービス提供」です。
こうした業界リーダーの強みに対し、「ボストン・コンサルティング」が設定したみずからの「訴求価値」は以下のようなものでした。
「マッキンゼー」の「論理的な分析とグローバルなナレッジ」に対しては、「問題解決に役立つ非合理なものを含むアイデアの提供」であり、「顧客と対峠することを厭わないカルチャー」に対しては、「顧客との対立から合意点を見つける努力と対話の徹底」であり、さらに、「グローパルに均質なサービス提供」に対しては、「アメリカ直輸入ではなく、日本の企業文化に基づいた検討」これらのパッケージを、「ボストン・コンサルティング」が提供できる「価値」とし、それを顧客に訴えていったのです。
筆者は、「マッキンゼー」から何度かコンサルを受けた後に、「ボストン・コンサルティング」に別のプロジェクトのコンサルを依頼した経験があります。
そのときに、最も驚いたことは、「ボストン・コンサルティング」のコンサルタントの使う用語でした。
一般に、外資系コンサルタントと言えば、MECE(ミーシー)とか、バリュー・チェーン(価値連鎖)とか、ファイブ・フォーシーズ(五つの力)などといった、横文字を頻繁に口にする人種と思われています。
もちろん、「、ボストン・コンサルティング」のコンサルタントもこうした基本的な用語を使うのですが、それ以外に、実にこなれた日本語も使うのです。
英語やカタカナのバタ臭い表現に比べ、日本人にとって、じつにわかりやすい表現ではないでしょうか。
こうした、独特な日本語を駆使することも含め、「ボストン・コンサルティング」は、トップ企業である「マッキンゼー」とは異なる路線を意図的に選択しました。
これに対し、同じn多弱と呼ばれた他の「戦略系コンサルティング・ファーム」は、「マッキンゼー」と同様の価値、すなわち、「世界最高水準の論理性と豊富なコンサル経験」を訴求価値として提示し続けていました。
いかに美辞麗句を並べても、「世界最高のコンサルティング・ファームは、マッキンゼーである」というブランド・イメージができ上がっている以上、それと同じ路線では顧客にアピールすることはできず、かりに、顧客を獲得できても、マッキンゼーの亜流として、手数料の値引きを要求されるケースも多く見られたのです。
一方、「ボストン・コンサルティング」は「トップ企業の強みとは別のところに強みを設定する」戦略をとりました。
つまり、「マッキンゼーより良いですよ(あるいは、同じくらい良くて、安いですよこと主張する「ベター・プロダクト戦略」ではなく、「マッキンゼーとは違いますよ」という「差異化戦略」を展開したのです。
そしてこの戦略は、功を奏しました。
もともと、一強多弱型の業界においては、多弱の中からライバル企業が出現し、2強の争いに変貌していくケースがあることが経験則として知られています。
たとえば、2人勝ちに見えたNの「i」の携帯電話市場や、「C」の清涼飲料業界も、ふと気づけば、強力なライバル商品と競いあう業界になっています。
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